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弁護士の転職に英語力は必要か?

弁護士の転職

ご自身の転職を含めたキャリアパスを考える上で,英語学習の必要性について悩まれた弁護士の方も多いのではないでしょうか。

「英語を勉強することでどういったキャリアパスが描けるのか。」や「そもそもどのように英語学習を進めるのが良いのか。」など,さまざまな悩みをお持ちの弁護士の方は少なくないと思います。

本記事では,そういった観点から,転職を含めたキャリアパスとの関係で英語学習を取り入れるべきかどうかの判断の一助となるべく,弁護士の方が英語を学習するメリットや,おすすめの学習方法を考察します。

弁護士が転職との関係で英語を学習するメリット

弁護士の方に英語力が必要とされる業務は,主に下記の3つになると思います。

  • 渉外案件
  • 国際案件
  • インハウスロイヤー

※ 正確には「インハウスロイヤー」という用語は業務のことを指すわけではなく,ほかの2つと並列に取り扱うことはできないと思います。しかし,インハウスロイヤー(=企業内弁護士)として働くと,少なからず英語を必要とされる場面に遭遇することが通常であると考えられることもあり,ここでは英語力が必要とされる業務として「インハウスロイヤー」も挙げています。

現在は国内の一般民事事件など,英語を用いない案件を中心に取り扱っている弁護士の方も,英語を勉強することで,上記のような英語力が必要となる業務を取り扱う渉外事務所やグローバル企業への転職を視野に入れることができます。

特にインハウスロイヤーについては,日本弁護士連合会が公表している弁護士白書によると,インハウスロイヤーの数は増加傾向にあることから,英語を勉強しておくことで,転職先の選択肢を増やすことことが期待できます。

また,すでに渉外案件を取り扱うような事務所に勤められている弁護士の方についても,継続的にご自身の英語を見つめ直し,洗練させることで,サービスの質をより向上させ,将来転職を考えた際に周囲との一層の差をつけることが期待できます。

実際に,求人サイト「求人ボックス」で求人数を比較したところ,下記のような結果となりました。

  • 検索ワード「弁護士」:16,074件
  • 検索ワード「弁護士 英語」:3,576件

※ 弁護士のサポート等,弁護士資格を必須としない求人も含んでいます。

この結果は,弁護士に関連する求人のうち,約20%近くの求人において英語力が必要とされているとも捉えることのできる結果です。

こちらからも,転職を考えられている弁護士の方にとっては,英語を学習することで,転職先の選択肢を増やすことができるというメリットを享受できるといえます。

弁護士が転職する際に求められる英語力

それでは,転職に際して弁護士の方に求められる英語力とはどのようなものなのでしょうか。

弁護士の方に求められる英語力としては基本的に次の2つが考えられますが,このうち特に転職の際に弁護士の方に要求されるのは,どちらの力になるでしょうか。

  1. 英文契約書その他の英語の文書の作成や理解に求められる読み書きの能力
  2. 交渉相手やクライアントなどとのコミュニケーション(電話,打ち合わせ,メール)に求められる能力

先の求人サイトの求人の詳細を調べると,(1)を歓迎要件として掲載している求人がある一方で,(2)を必須要件として掲載している求人も同程度存在することがわかり,(2)の英語でのコミュニケーション能力がより必須の要件として求められていることが伺えます。

また,昨今のAI技術,とりわけ翻訳技術の発展も考慮すると,将来的にも(2)の能力の市場価値が上がっていくと予想されます。

英語の文書の大まかな翻訳業務はDeepLなどの翻訳サイトで代替することが可能になってきていますし,契約書のレビューなどの業務についてもAI技術が発展してきています。

しかし,AIにとって,人間の感情を考慮しなければならない契約交渉などはまだまだ難しく,これらはこの先も人間の弁護士にしか担えない業務と言えるでしょう。

2017年9月25日(月)の日本経済新聞の記事「AI時代のサムライ業(上)代替の危機 新事業に挑む」に掲載されている「AIによる代替可能性の高い職業」(2015年12月,オックスフォード大学・野村総合研究所)のデータによると,行政書士や司法書士と比較して弁護士の仕事はAIに代替されにくいとされています。

AIによる
代替可能性(%)
弁護士1.4
司法書士78.0
弁理士92.1
行政書士93.1
公認会計士85.9
税理士92.5
社会保険労務士79.7
中小企業診断士0.2
士業のAI代替可能性

以上の点を考慮すると,弁護士の方が転職の際に求められる英語力は,現在も,そして将来的にも,読み書きの能力というよりはむしろ,英語を用いてコミュニケーションを取る力であるといえるのではないでしょうか。

どのように英語力を向上させるか?

では,弁護士に求められる英語でのコミュニケーション能力はどのように学習すれば良いでしょうか。

最も効果的な方法は,実際の渉外案件に取り組むことだと思います。すでに渉外案件に触れられる環境にある弁護士の方は,積極的に渉外案件に参画すること(アサインされるように努めること)で,英語でのコミュニケーション能力を向上させていくことが最も良い方法だと思われます。

これに対し,現在の勤務先で実際の渉外案件に取り組むことが難しい弁護士の方の場合は,業務時間外で英語学習を行っていくしかありません。しかし,そうなると,なかなか時間が取れず後回しになり時間だけが過ぎていく恐れもあります。

そこで,そのような弁護士の方には,独学よりも,ある程度強制力を持って学習を進める方法として,英会話サービスの利用をおすすめします。

近年,自宅でも簡単にレッスンが受けられるなど,よりご自身のライフスタイルに合った英会話サービスを選択できるようになっています。

また,法律分野特化型のプランを持つサービスもあり,弁護士が英語学習しやすい環境になっています。

おすすめの英会話サービス3選

以下では,様々な英会話サービスの中から3つ紹介しますので,ご参考になれば幸いです。

スピークバディ パーソナルコーチング

1つ目は,スピークバディ パーソナルコーチング です。英語学習実績のある日本人が専属コーチとしてアドバイスをしてくれる等,継続・習慣化しやすい仕組みが取り入れられています。

英語レベルやカリキュラムを確認できるカウンセリングが無料で受けられる点もポイントです。

mytutor

2つ目は,mytutorです。弁護士向けのプログラムとして,グローバル化する世界のビジネス環境でクライアント,ビジネスパートナー,同僚達と英語で法律についてコミュニケーションを円滑に行うスキルを養うプログラム「Legal Professionals [法律専門家](6ユニット 50レッスン/25分)」が用意されています。

また,短期集中でTOEFLのスコアアップを目的とするTOEFL対策コースもあり,試験が近く,追い込みたい方におすすめです。

Bizmates

3つ目は,Bizmates です。目的や課題に合わせてレッスンタイプを選ぶことができ,特定スキルにフォーカスしてトレーニングすることができます。

また,入会費・教材費は無料で,1レッスン320円からとリーズナブルな料金設定になっていることも魅力の一つです。

オススメの書籍

英語でのコミュニケーション能力だけでなく,読み書きの能力の向上にも並行して取り組む際におすすめの教材や書籍を以下に紹介しますので,英語の学習を考えられている弁護士の方は,こちらもご参照ください。

「法律英単語」を高速でマスターするための「単語帳」です。受験英語と同じような方法で弁護士業務に必要な英単語を学習することができるオススメの単語帳です。

弁護士の方が英文契約書のリーガルチェックや英文契約書のドラフトしていく際には,単に当該英文契約書中の単語の意味が分かるだけでは足りず,英文契約書の考え方(英米法の基礎)を理解しておくことが必要になることも少なくありません。

「ニューヨーク州弁護士が教える 英文契約書の基礎」は,英文契約書の「考え方(英米法の基礎)」と契約時の交渉,管理,弁護士の活用等の実践の勘所を学ぶためのコンパクトな実務基本書となっています。

英語を学習しようと考えられた弁護士の方であれば,一度は購入を検討されたことがあるであろう「英文契約書作成のキーポイント〔新訂版〕」です。法律英語の初心者が実際に英文契約書を作成するための実践的なテクニックが公開されています。

こちらは初学者向けの英文契約書に関する入門書とも評価できる本です。これから英語を学習していこうとされる新人弁護士の方は,まずはこの本から学習を開始されるのが良いかもしれません。

最後に

本記事では,転職を含めたキャリアパスとの関係で,弁護士の方が英語を学習するメリットや,おすすめの学習方法について考察しました。

弁護士の方が英語学習を取り入れるべきかどうか判断し,英語の学習法について考える上で参考となることを願っています。

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